交通誘導警備員の夜勤

交通誘導警備員として夜勤で働くときの仕事内容を紹介します。メリット・デメリットや向いている人の特徴もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

夜勤の交通誘導ってどんな仕事?

交通誘導警備の夜勤は、主に道路工事や建物への搬入作業など、日中では対応が難しい作業現場で行われます。夜間に稼働する現場では、車両や歩行者の安全を守ることが重要な役割です。

仕事内容は基本的に日勤と大きく変わりません。車両の誘導、歩行者の安全確保、工事車両の出入り管理などが中心となります。ただし、夜間ならではの注意点もあります。たとえば、視界が悪くなることや、周囲が静かになることにより、ドライバーや歩行者への配慮が一層重要になります。

実際、夜間はライトを強めに照らして走る車が多く、ドライバーの視界が狭くなったり、暗がりで歩行者が見えづらくなったりすることもあります。そのため、日勤以上に注意力や判断力が求められる場面も少なくありません。

夜勤ならではのメリット

日給が高く、早めに終わることも多い

交通誘導警備の夜勤では、22時~翌5時の間に勤務した分に対して「深夜手当」が加算されるため、同じ勤務時間でも日勤より日給が高くなる傾向があります。

また、夜間の現場では、工事の進行状況や周辺の交通事情によって、予定よりも早く作業が終わるケースも少なくありません。たとえば、契約上は8時間勤務でも、実際の作業時間は5~6時間で終了することもあります。

それでも多くの場合、契約どおりの“日給”は満額支給されます。「勤務時間は短めでも、しっかり稼げる」という点が、夜勤の交通誘導が“割がいい”と言われる理由のひとつです。

交通量が少なく、落ち着いた現場が多い

夜間は日中に比べて車の通行量や人通りが少なく、慌ただしさを感じにくいのが特徴です。もちろん、深夜でも交通量の多い現場もありますが、全体としては比較的落ち着いた雰囲気の中で業務にあたれることが多くなります。

そのため「自分のペースで取り組みやすい」「焦らずじっくり対応できる」と感じる場面が多く、警備の仕事が初めてという方にも向いている環境です。静かな現場で集中して働けるのも、夜勤ならではのメリットといえるでしょう。

昼間の時間を自由に使える

夜勤の最大の利点のひとつが、日中の時間をまるごと自由に使えることです。役所・病院・銀行など、平日の日中にしか利用できない場所にも行きやすく、仕事のために休みを取る必要もありません。

昼間の時間を、趣味に時間を充てたり、副業に挑戦したり、スキルアップの勉強に取り組んだりする人もいます。生活リズムの調整は必要ですが、時間を有効活用したい方にとっては、自由度が高くプライベートと両立しやすい働き方といえるでしょう。

人間関係のストレスが少ない

夜勤の現場は少人数体制で行われることが多く、日中のように大人数で動くケースはあまり見られません。1人で担当する現場や、2人1組で行うペア勤務が中心となり、関わる人の数が限られているぶん、人間関係のストレスを感じにくいのが特長です。

現場では必要最低限の報告・確認を行えば、あとは自分の業務に集中できることが多く、「人と話すのが苦手」「自分のペースで黙々と働きたい」という方にも向いている働き方です。

交通誘導警備の夜勤で大変なこと

生活リズムが崩れやすい

夜勤では、深夜から早朝にかけて働き、昼間に睡眠をとる「昼夜逆転」の生活リズムになります。このスタイルに慣れるまでには時間がかかる人も多いようです。外が明るかったり、周囲の生活音が気になったりすると、なかなか深く眠れず、睡眠不足から体調を崩すこともあります。

そうした負担を軽減するためには、遮光カーテンや耳栓を使ったり、就寝時間をなるべく一定に保ったりと、自分なりに快適な睡眠環境を整えることが大切です。生活リズムが安定すれば、日中の自由時間といった夜勤ならではのメリットも活かしやすくなります。

冬の寒さや雨への対策が必要

交通誘導警備は屋外での仕事が基本のため、夜勤になると気温が一段と下がり、特に冬場は冷え込みが厳しくなります。さらに、雨や風にさらされると体力が奪われ、作業にも集中しづらくなります。

そのため、夜勤では万全な防寒・防雨対策が欠かせません。たとえば、ヒート系インナーやカイロを活用したり、防水性の高いレインウェアを準備したりすることが有効です。会社から防寒着や雨具が支給される場合もあるので、事前に確認しておくと安心です。

暗くて見えづらく、注意力が求められる

夜間は車のライトや街灯があるとはいえ、全体の視界は昼間より悪くなります。ドライバーにとっても、歩行者や警備員の動きが見えにくい時間帯です。

こうした環境で安全を確保するためには、日中以上に集中力と注意力が必要になります。反射材付きのベストや誘導灯を効果的に使ったり、無線で他の警備員と連携をとったりするなど、現場では基本をしっかり守った行動が求められます。

現場によって負担の差が大きい

夜勤の交通誘導は、現場によって仕事内容の負担に差が出やすい仕事です。たとえば、住宅街での工事現場などは交通量が少なく、比較的ゆったりと対応できる場合が多くなります。

一方で、幹線道路や繁華街の近くなどでは、夜間でも車や人の通行が多く、ひっきりなしに対応が求められることもあります。また、片側交互通行を行う現場では、他の警備員とタイミングを合わせながら通行を調整する必要があるため、集中力や判断力が長時間求められるケースもあります。

夜勤に向いている人・向いていない人

交通誘導警備の夜勤に向いている人

まず、夜型の生活が苦にならない人は、夜勤の働き方に順応しやすい傾向があります。「夜のほうが集中できる」「昼間に寝るのは平気」といったタイプであれば、体調管理もしやすく、安定して働くことができるでしょう。

また、短時間で効率よく稼ぎたいという方にも、夜勤は向いています。深夜手当が加算されることで日給が高くなりやすく、実働時間の短い現場を選べば体力的な負担も抑えられます。

さらに、人間関係のストレスを減らしたい人にもおすすめです。夜勤は少人数体制の現場が多く、業務中の会話も必要最低限にとどまることがほとんどです。そのため、自分のペースで黙々と働きたい方にとっては、気楽に感じられる場面が多いでしょう。

交通誘導警備の夜勤に向いていない人

一方で、朝型の生活リズムが合っている人や、日中でないとしっかり眠れない人にとっては、夜勤の継続は難しく感じられるかもしれません。睡眠の質が下がると疲れが取れにくくなり、体調を崩す原因にもなるため、生活リズムの調整に不安がある場合は慎重な検討が必要です。

また、「動きが少ないと眠くなる」「じっとしていると退屈に感じる」という人も、夜勤には向いていないことがあります。交通量が少ない現場では、立ちっぱなしで待機する時間が長く、仕事にメリハリを感じにくいこともあります。

さらに、寒さに弱い人や体調を崩しやすい人も注意が必要です。冬場の冷え込みや、雨風にさらされることで体への負担が想像以上に大きくなることがあり、無理をすると体調を崩しかねません。

まとめ

交通誘導警備の夜勤には、昼間とは異なる大変さがあります。生活リズムを整えるための工夫が必要ですし、冬の寒さや暗がりの中での安全確認など、気を配るポイントも多くなります。

その一方で、夜勤ならではの働きやすさもたくさんあります。たとえば、深夜手当によって収入が上がることや、実働時間が短めの現場もあること、さらに昼間の時間を自由に使えることなど、メリットを感じやすい場面も多いでしょう。静かな環境で自分のペースを保ちやすいことや、人間関係のストレスが少ないことも、夜勤の交通誘導が選ばれている理由のひとつです。

「できるだけ負担を減らして働きたい」「効率よく日給を得たい」「昼間の時間を有効に使いたい」…そんなふうに考えている方にとって、夜勤は十分に“アリ”な働き方です。少しでも気になる方は、まずは自分の生活リズムと相談しながら、無理のない範囲でチャレンジしてみるのもおすすめです。