ショッピングモールやデパート、大型スーパーなどの商業施設では、たくさんのお客さんが毎日訪れます。そんなにぎやかな場所で、お客様の安心・安全を支えているのが「施設警備員」です。
商業施設の警備は、体力的に無理なく働けて、未経験でも始めやすい仕事のひとつ。シフトも比較的安定していて、天候に左右されず、のんびり働きながらしっかり収入を得たい方にも人気があります。
今回は、そんなショッピングモールやデパートなど商業施設で働く施設警備員について紹介します。具体的な仕事内容やメリット、ちょっと大変なところも含めて、わかりやすくまとめました。
施設警備といっても、働く場所によって業務の雰囲気は大きく異なります。ショッピングモールやデパート、大型スーパーなどの商業施設での警備は、多くの人が出入りする中で、トラブルを未然に防ぐことが主な役割です。お客様を案内したり、落とし物に対応したり、体調の優れない方をサポートしたりと、人とほどよく関わる機会もあります。
特徴的なのは、屋外の交通警備とは異なり、屋内業務が中心である点です。空調の効いた快適な環境で働けるのは、商業施設警備ならではのメリットといえるでしょう。施設によっては夜勤や早朝勤務がある場合もありますが、基本的にはシフト制で、日中だけの勤務を選ぶことも可能です。
営業時間中は、館内を歩いて見回りながら、不審な人や物がないか、設備に異常がないかを確認します。巡回中に「トイレはどこですか?」と聞かれたり、落とし物の届け出を受けたりと、お客様とちょっとしたやり取りがあることも。施設によっては、外周や駐車場をまわることもあります。
商業施設にはテナントのスタッフや業者の方など、多くの関係者が出入りします。専用の出入口で、登録された方かどうかを確認し、カードやタグで入退館を記録します。荷物の搬入や工事業者の受付なども、この業務に含まれます。
管理室のモニターで、防犯カメラの映像を見守る仕事です。怪しい動きがないかをチェックしたり、火災報知器や非常ボタンに異常がないかを確認します。異常があれば、速やかに対応や報告を行います。
開店前の解錠や、閉店後の施錠チェックも大切な仕事です。決まったチェックリストにそって、お店や通路のカギがきちんと開いているか、閉まっているかを確認します。朝や夜のシフトに入る方が担当することが多いです。
お客様の困りごとや、館内でのトラブルに対応するのも警備の大切な役割です。迷子やけが人、急に具合が悪くなった方が出たときには、すばやく現場に向かって対応します。
ときには、警察や救急と連携して動くような、緊急対応が必要になることもあります。状況を落ち着いて判断しながら、冷静に行動する力が求められます。
土日や年末年始、大きなセールのある日は混雑しやすいため、人の流れを整理したり、臨時の出入口で案内をしたりと、ふだんとは少し違う業務が加わることもあります。しかし、こういった日は複数の警備スタッフで協力して対応するので、1人に負担が集中することはほとんどありません。
警備の仕事というと、「外でずっと立ちっぱなし」「きつそう」「なんとなく怖い」というイメージを持っている方もいるかもしれません。でも、ショッピングモールやデパートなどの商業施設で働く警備員は、少し雰囲気が違います。
施設内は冷暖房が整っているため、真夏や真冬でも働きやすい環境です。交通誘導のように炎天下や雨の中で長時間立ちっぱなし…といったことは基本的にありません。屋外の仕事に比べて体への負担が少なく、年齢問わず続けやすい点が魅力です。
また、交通警備は天候の影響を受けやすく、急に仕事が中止になることもありますが、商業施設は雨の日や台風の日でも営業していることが多く、シフトが安定しているのも嬉しいポイントです。
大型の商業施設では、たいてい複数の警備員が配置されています。ひとりだけで任されるわけではないので、困ったことがあってもすぐに相談できて安心です。「ひとり現場はちょっと不安…」という方にとっても、心強い環境といえるでしょう。
テナントスタッフ向けに広めの休憩室や仮眠室が用意されている施設も多く、長時間勤務のときも、しっかり体を休めながらメリハリをつけて働けます。安心して続けられる環境が整っているのも、商業施設ならではの魅力です。
館内を巡回していると、「〇〇ってどこにありますか?」といった質問を受けることがあります。そうしたときに丁寧に案内できれば、「ありがとう」と声をかけてもらえることも。接客業の経験がある方なら、そのスキルを活かせる場面も多く、やりがいにつながる場面もあるはずです。
商業施設での警備は、未経験からでも始めやすく、体力的な負担が少ない仕事です。ただし、「楽そう」といったイメージだけで始めると、あとでギャップを感じてしまうことも。あらかじめ大変な面も知っておくことで、納得しながら続けやすくなります。
巡回や受付など、立っている時間や歩き回る時間はどうしても長くなります。特別きつい運動ではありませんが、立ち仕事が苦手な方や、体力に自信のない方にとっては、最初のうちは少し疲れやすいと感じることもあるかもしれません。
施設によっては、夜勤(閉店後の見回りなど)や早朝勤務(開店準備など)がシフトに組まれることがあります。生活リズムが崩れやすい時間帯のため、最初のうちは寝不足になったり、疲れがたまりやすかったりするかもしれません。ただ、シフトに慣れてくれば、自分なりのペースで整えていける方も多いです。
商業施設はフロアが広く、通路や設備も複雑なつくりになっている場合があります。そのため、最初は巡回ルートや施錠・解錠の手順を覚えるのに時間がかかるかもしれません。ただし、同じ流れを繰り返す業務が多いので、いったん覚えてしまえばスムーズにこなせるようになります。
「人とあまり関わらずに働きたい」と思って施設警備を選ぶ方もいますが、商業施設では意外とお客様と接する場面があります。巡回中に「トイレはどこですか?」「このお店って何階ですか?」と聞かれることはよくあること。接客業ほどではありませんが、簡単な案内や丁寧な受け答えは日常的に必要になることを理解しておきましょう。
たとえば、落とし物を見つけたときや、体調が悪そうな方を見かけたとき、「これは対応したほうがいい?様子を見るべき?」といった判断が必要になることがあります。
困ったときはほかのスタッフに相談できますが、とくに最初のうちは迷うこともあるかもしれません。経験を重ねるうちに、少しずつ判断にも慣れていけるはずです。
働きやすさも大事だけど、「実際どのくらい稼げるの?」というのは気になるポイントですよね。商業施設の施設警備は、現場によって多少の差はあるものの、比較的安定して日給がもらえる傾向があります。
日勤(8時間程度)の場合、日給で8,000円〜10,000円前後が一般的です。施設の規模や勤務先、警備会社の違いによって金額に幅がありますが、「短時間だけ働いてもそこそこになる」という点は、単発バイトより魅力に感じる人も多いです。
24時間営業の商業施設や、大型モールのようなところでは夜勤シフトがある現場もあります。この場合、深夜手当などがつくため、日給12,000円〜13,000円以上になることも。
派遣やバイトの場合は、週2〜3日からシフトに入れる現場も多め。Wワークや空いた日だけのバイトにも向いているので、「効率よく稼ぎたい」という人にも向いています。
● 無理なく体を動かしたい人
日中の勤務は立ちっぱなしや巡回がメインになりますが、激しい力仕事ではないため、適度に身体を動かして働きたい方にはぴったりです。長時間の立ち仕事に抵抗がなければ問題ないでしょう。
● コミュニケーションが苦手じゃない人
施設内では、お客さんに声をかけられることもあります。「お店はどこ?」「落とし物があったんだけど」など、ちょっとした会話が発生する仕事でもあるので、人と関わるのがあまりに苦手だと難しく感じるかもしれません。
逆に、接客経験がある方や、人とのやりとりが苦じゃない方には向いています。
● コツコツ覚える作業ができる人
巡回ルートや鍵の場所、管理ルールなど、最初のうちは覚えることが意外と多いのも施設警備の特徴。一度覚えてしまえばルーチン作業になりますが、それまでは丁寧に積み上げていくタイプの方が向いています。
● 安定して働ける場所を探している人
天候に左右されない屋内勤務で、日勤・夜勤をうまく組み合わせれば安定収入も目指せるのが商業施設警備の魅力です。
日給でしっかり稼ぎたい方や、派遣・バイトでのんびり長く働きたい方にもフィットしやすい環境です。
● 警備の仕事に興味はあるけど、いきなり屋外警備は不安…という人
「警備の仕事にチャレンジしてみたいけど、交通誘導やイベント警備はちょっと大変そう」という方の入り口として選ばれやすいのが施設警備です。未経験から始めても、じっくり経験を積んでいけるでしょう。
ショッピングモールやデパートなどの商業施設で働く施設警備員は、屋内での勤務が中心で、安定した環境の中で働けるのが大きな特徴です。仕事内容は巡回や出入管理、モニター監視など決まった業務が多く、未経験からでもスタートしやすい点も魅力のひとつ。
とはいえ、最初のうちは巡回ルートを覚えたり、立ち仕事が続いたりと、地味に体力が必要な場面もあります。また、お客さんとのやりとりも多少あるため、完全に一人で黙々と…という仕事とは少し違うかもしれません。
ただ、のんびりマイペースに働きたい方や、効率よく日給を得たい方には、かなり相性の良い仕事です