施設警備の仕事は、屋内でのんびりしていそうなイメージを持たれることもありますが、実際には「思ったよりきつい」と感じる場面もあります。この記事では、施設警備員の仕事がきついと言われる理由やその対策を紹介します。
施設警備では、巡回や立哨(その場に立って見張る業務)など、長時間立ちっぱなしの仕事も少なくありません。特に立哨業務は、その場を動かずに待機する必要があるため、足のむくみや腰の痛みなど、体への負担を感じやすいです。
「座れる仕事だと思っていたのに、意外と立ちっぱなしだった…」というギャップで、つらさを感じる人もいるでしょう。
警備中はその場を離れられない場合でも、軽く足踏みをしたり、体重を左右に移動させたりすることで血流を促すことができます。また、勤務後にはストレッチやマッサージなどで、足腰の疲れをこまめにケアすることも大切です。
もし立ち仕事がどうしてもつらい場合は、モニター監視など座って行う業務が中心の現場を希望するという選択肢もあります。無理せず、自分に合った働き方を相談してみましょう。
施設警備の仕事では、ショッピングモールやオフィスビル、病院などの夜間警備を担当することも多く、夜勤に入る機会があります。一般的な生活リズムとは逆になるため、体が慣れるまでに時間がかかることもあります。
夜勤では夜間に集中力を保たなければならず、勤務明けも眠気やだるさがなかなか取れないと感じる人もいるでしょう。特に夜型の生活が合わない人にとっては、慣れるまでがつらく感じやすいかもしれません。
夜勤にうまく慣れるためには、仮眠や休憩を上手に取り入れることがポイントです。施設警備の「当務(24時間勤務)」では、数時間の仮眠時間が設けられているので、ここでしっかりと休んで眠気や疲れを和らげることが大切です。
また、夜勤明けは無理に日中に活動しようとせず、まずはしっかり睡眠をとりましょう。体内時計を整えるために、遮光カーテンや耳栓を使って、静かで暗い環境を整えるのも効果的です。
施設警備には「当務」と呼ばれる24時間勤務があり、1回の勤務が長時間に及ぶこともあります。途中で仮眠や食事の時間はあるものの、丸1日拘束されるため、体力的・ 精神的にもきついと感じる人は少なくありません。
特に、施設内でトラブルが発生した場合には対応に時間がかかり、予定通りに休憩が取れないケースもあります。
当務は「1勤務=2日分」としてカウントされることが多く、勤務翌日はしっかりと休めるのがメリットです。連勤を避け、1勤務ごとにきちんと休息をとることで、疲労の蓄積を防ぐことができます。
また、仮眠時間を有効に使うためには、眠りやすい環境を整えることがポイントです。耳栓やアイマスクを用意しておくと、限られた休憩時間でもしっかりリフレッシュでき、勤務中のパフォーマンス向上にもつながります。
施設警備の仕事は、決まった時間に決まったルートを巡回したり、同じモニター画面を見続けたりすることが多く、日々の仕事内容に変化が少ないのが特徴です。そのため、「単調で飽きてしまう」「やりがいを感じにくい」と思う方も少なくありません。
特に夜間や人通りの少ない時間帯は、「とにかく暇すぎる」と感じることもあります。
とはいえ、業務中にスマホを触ったり音楽を聴いたりするのは、業務に支障をきたすおそれがあるため基本的にNG。何も起こらないことは本来は良いことですが、退屈との戦いに気持ちが萎えてしまうケースもあります。
ルーチンワークが多い施設警備の仕事において、「何も起きないこと」はある意味で理想的な状態とも言えます。だからこそ、「何も起きていない=自分の仕事がうまくいっている証拠」と前向きに捉えることも1つの考え方です。
また、職務に支障のない範囲で、自分なりのリフレッシュ方法を見つけるのもおすすめです。たとえば、施設内の掲示物の変化や備品の配置を“間違い探し”のような感覚でチェックしてみる、人の動きをさりげなく観察してみるなど、小さな工夫で意外と気分転換になります。
普段は落ち着いた現場でも、火災報知器の作動、不審者の侵入、停電など、思わぬトラブルが発生する可能性があります。こうした場面では冷静に対応する必要があるため、「自分にできるか不安」と感じる人もいるでしょう。
また、めったに起きないことだからこそ、「もしも」に備えるプレッシャーを感じやすいのも事実です。
多くの警備現場では、緊急時に備えたマニュアルが整備されており、入社時の研修でしっかりと学ぶことができます。初めての方でも手順を一つずつ覚えていけば、少しずつ自信がついてくるはずです。
また、チームで勤務する現場では、何かあればすぐに周囲と連携できる体制が整っており、一人ですべてを対応する必要はありません。日頃から設備の場所や連絡体制を把握しておくと、いざというときにも落ち着いて行動しやすくなります。
施設警備の多くは屋内での業務です。交通誘導などの屋外警備と違い、雨風にさらされたり、炎天下や極寒の中で長時間立ち続けたりすることは基本的にありません。
特に商業施設やオフィスビルでは空調が整っているケースが多く、季節による厳しさを感じにくいのもポイント。天候の影響を受けず、毎日安定したコンディションで働けるため、体への負担が少なく、続けやすい仕事だと言えます。
年齢を重ねても無理なく続けられる仕事として、シニア層に選ばれることが多いのも施設警備の特徴です。
施設内での巡回はあるものの、歩く距離や移動範囲は比較的コンパクトな現場が多く、屋外の広い警備現場に比べて体力の消耗が抑えられます。また、施設によっては「モニター監視業務」など、座って行う仕事が中心になることもあり、体への負担はさらに少なくなります。
施設警備は、巡回や監視といった一人で行う業務が多く、職場内での過度なコミュニケーションを求められることはあまりありません。
もちろん、あいさつや報告などの基本的なやり取りは必要ですが、深く人間関係を築く必要があるような職場環境ではありません。人付き合いに疲れがちな人、自分のペースで黙々と働きたい人にとっては、気楽に感じられる仕事です。
「24時間勤務=当務」は一見するとハードに感じられるかもしれませんが、実際にはその中に仮眠や休憩の時間がしっかり組み込まれています。
数時間ごとの小休憩や、夜間の2〜3時間程度の仮眠など、定期的に休息をとれる仕組みが整っているため、うまく体を休めながら働くことができます。
特に「何も起こらない時間」が多い施設では、想像以上に体力を温存しやすく、慣れてくると「思っていたよりも楽だった」と感じる人も多くいます。
ここまで、施設警備の仕事で「きつい」と感じやすいポイントや、その対策について紹介してきました。
たしかに、長時間勤務や単調な業務、夜勤など、慣れるまでは大変な部分もありますが、それ以上に「働きやすさ」や「続けやすさ」に魅力を感じる人も多い仕事です。
施設警備は年齢や経験に関係なく始めやすく、実際に40代・50代からスタートする方や、定年後の再就職先として選ぶ方も少なくありません。
また、シフトの自由度が高いのも特徴です。「週2〜3日だけ働きたい」「夜勤だけで効率よく稼ぎたい」といった希望にも柔軟に対応しやすく、Wワークや副業とも相性が良いため、自分のペースで働きたい人にも向いています。
さらに、施設警備には資格手当がつく職場や、研修制度が整っている現場もあります。将来的にステップアップを目指したい人にとっても、チャンスのある仕事と言えるでしょう。