交通誘導警備のやり方

交通誘導警備は、特別な資格がなくても始められる仕事です。工事現場やイベント会場、駐車場などで、車や歩行者を安全に誘導するのが役割です。とはいえ、「どんなふうにやるの?」「いろんなサインを覚えなきゃいけないの?」と不安に思う方も多いでしょう。

実際に現場で使う合図は「停止」「進行」「徐行」といった基本的なものが中心で、とてもシンプルです。初めての方でも研修でしっかり教えてもらえるので心配はいりませんが、あらかじめ基本を知っておくと安心して仕事を始められます。

この記事では、交通誘導警備の基本的なやり方や、安全に働くために知っておきたいポイントを紹介します。

交通誘導警備の基本のやり方

交通誘導警備の仕事では、車や歩行者に「停止」「進行」「徐行」といったサインを送って誘導します。動作はパターン化されていて、研修でもしっかり教えてもらえるので安心です。ポイントは「大きく」「ゆっくり」「はっきり」と動かすこと。この3つを意識するだけで、相手にとても伝わりやすくなります。ここでは基本的な動作4つを見ていきましょう。

停止を予告する

いきなり「ストップ」の合図をすると、車が急ブレーキをかけて危険です。まずは「この先で止まりますよ」と知らせる予告動作を行います。

誘導灯(赤く光る棒)を頭の上に縦に掲げ、左右に大きく振るのが合図です。小さく振ってしまうと見えづらいので、肘や手首はまっすぐ伸ばし、大きな動作でしっかりアピールしましょう。予告をすることで運転手がスピードを落としてくれるので、警備員自身の安全確保にもつながります。

車を停止させる

予告をしたあとは、実際に車を止める合図に移ります。誘導灯を右手に持ち、地面と水平に構えて頭上に掲げて、進路をふさぐような形で合図を出します。運転手から見やすい位置に立つことが大切ですが、車の正面に立ちすぎるのは危険です。安全のため、車との距離は必ず取るようにしましょう。

進行を促す

車を止めたあとには「進んで大丈夫です」という合図が必要です。自分の体を進行方向と平行に向け、空いている左手を進行方向へ伸ばします。右手の誘導灯は下から手招きするように振り、ゆっくりと「どうぞ」と示します。進める先に歩行者や自転車がいないかを必ず確認してから合図を出しましょう。

徐行を促す

狭い道や見通しの悪い場所では「スピードを落としてゆっくり進んでください」と伝える必要があります。やり方は、誘導灯を横に出し、腕を伸ばしたまま上下にゆっくり揺らします。

急ぎすぎると運転手が誤解してしまうので、あくまで落ち着いた動作で行いましょう。徐行のサインを出すときは、車の横に立って進行方向と平行になるように位置取りすると安全です。

安全に働くために知っておきたいポイント

交通誘導警備はシンプルな動作で成り立つ仕事ですが、現場は車や人が行き交うため、常に危険と隣り合わせでもあります。安心して働くためには、いくつかの基本ルールを意識することが大切です。

誘導はあくまで「お願い」

警備員の出す合図には法的な強制力はありません。つまり「止まってください」「進んでください」と伝えても、従うかどうかは運転手や歩行者次第です。だからこそ、礼儀正しい態度で伝えることが大切です。合図のあとに軽く会釈したり、一言お礼を添えるだけでも、相手が気持ちよく従ってくれやすくなります。

動作は「早めに・大きく・ゆっくり」

小さな動きや直前の合図では、運転手に気づいてもらえません。合図は車が遠くにいるうちに出し、できるだけ大きく、そしてゆっくりと行うのが基本です。運転手が合図を見て「何をしているのか」がすぐにわかるように意識すると、事故のリスクをぐっと減らせます。

歩行者を優先する

交通誘導では「車より歩行者優先」が鉄則です。子どもや高齢者は判断が遅れることもあるため、余裕をもって車を止め、安全に渡れるようにしましょう。特に大型車の陰は死角になりやすく、後続車の追い越しなどで事故につながることもあるため要注意です。

自分の身を守る

誘導をしている本人が事故に巻き込まれてしまっては元も子もありません。車の真正面に立ちすぎない、死角に入らない、背中を車に向けない、といったことを徹底しましょう。バック誘導をする際は、運転手からしっかり見える位置を確保するのが鉄則です。

集中力を切らさない

交通量の少ない時間帯は「暇だな」と感じることもありますが、そんなときに気を抜くと危険です。実際に車や歩行者が少ないのは、仕事がスムーズに回っている証拠だと考えると気持ちも保ちやすいです。体調不良のときに勤務すると集中力が落ちるため、普段から体調管理を心がけておくのも大切です。

まとめ

交通誘導警備は、特別な資格や経験がなくても始められるシンプルな仕事です。動作のパターンは「停止」「進行」「徐行」といった基本的なものばかりで、初心者でも覚えやすいのが魅力です。

もちろん現場は車や人が行き交うため、注意すべき点はありますが、基本さえ押さえておけば安心して働けます。研修で実際に体を動かしながら学べるので、未経験でも問題ありません。

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